創立者の精神

普遍的愛の母 マルグリット・デュービル

「CARITAS(カリタス)」とは、ラテン語で「愛」を意味する言葉です。
「普遍的愛の母」と呼ばれた聖マルグリット・デュービルが創立した「カリタス修道女会」の名に由来しています。
聖マルグリット・デュービルは、18世紀のカナダで「愛の奉仕活動」に生涯を捧げた女性です。
デュービルは全ての人、特に恵まれない人、困っている人に対して深い思いやりと共感を示し、援助の手を差し伸べました。そうした活動の根底にあったのは、「神が全ての人を愛する父である」という深い信頼でした。
身近なところから始まったデュービルの奉仕活動は、やがて民族や国籍、宗教や文化の壁を超えて、普遍的な愛の奉仕をするひとつの共同体を生み出しました。これが「カリタス修道女会」です。
デュービルの普遍的愛の精神とその業績は世界的に認められるものとなり、1990年に教皇ヨハネ・パウロ二世によって聖人の列に加えられました。

聖マルグリット・デュービル

デュービルの精神を受け継いだシスターたち

19世紀には、デュービルの精神を受け継いだシスターたちは各地に派遣され、愛の奉仕活動の新たな道を開拓していきました。
1845年、オタワに派遣されたメール・エリザベト・ブルエールたちは「オタワ愛徳修道女会」を設立し、様々な国籍を持つ移住者とともに教育的活動に着手しました。
1849年、ケベックに派遣されたメール・マルセル・マレたちは「ケベック・カリタス修道女会」を設立し、孤児、病人、高齢者の世話をしながら教育活動の分野にも事業を広げていきました。
彼女たちは聖マルグリット・デュービルに倣い、当時の社会の諸問題に斬新的に取り組み、時代を先取りした国際的な感覚のもとに英仏二言語圏の教育を行いました。そして学校教育と同時に幅広く社会福祉、医療活動にも取り組み、いのちへの奉仕や正義と平和の実現に向けた具体的活動を推進していきました。


日本に派遣された3人のシスターたち

1953年、カナダのケベック・カリタス修道女会は、戦後日本の社会的緊急課題であった学校教育の充実に応えるため、リタ・デシャエンヌ、ローズ・アンナ・バイヤルジョン、グロリア・ボリューの3人のシスターを派遣しました。
1960年、来日から7年、シスターたちの言葉の壁を乗り越えた献身的な働きによって学校法人カリタス学園が設立され、シスターリタ・デシャエンヌが初代理事長に就任しました。そして翌1961年、現在の川崎市多摩区中野島に初めてのカトリック学校、カリタス女子中学高等学校が誕生しました。真新しい校舎で中学生207名、高校生157名による第1回入学式が行われ、カリタス学園は輝かしいスタートを切りました。

カリタス学園の歴史

1953年 ケベック・カリタス修道女会の3人のシスターが来日
1954年 東京都世田谷区若林にケベック・カリタス修道女会本部修道院を開設
1957年 カリタス学生寮開設
1960年 学校法人カリタス学園を設立
1961年

神奈川県川崎市多摩区中野島にカリタス修道院開設
カリタス女子中学高等学校を開設

1962年 カリタス幼稚園を開設
1963年 カリタス小学校を開設
1964年

カリタス女子高等学校に専攻科を新設
小学校校舎が落成

1966年

カリタス女子短期大学英語科を開設
(短大開設により、高等学校専攻科はこの年で終了)

1967年 幼稚園から短期大学までの一貫教育が完成
1968年 幼稚園の新園舎が落成
1970年

学園校内にプールが落成
創立10周年記念式典

1981年 短期大学の新校舎が落成、横浜市緑区(現青葉区)あざみ野に移転
1983年 短期大学に仏語科を設置
1985年

新体育館が落成
創立25周年記念式典

1990年

創立30周年記念式典
修学院跡地に小学校の新校舎が落成
新聖堂が落成
新プールが落成
中学高等学校に新図書館が落成

1995年

短期大学が改組転換し、言語文化学科(英語・英語圏文化専攻、仏語・仏語圏文化専攻、コミュニケーション文化専攻)を新設
中学高等学校でカナダ研修が始まる

1999年 創立40周年に向けて「カリタス年」を設定し、そのオープニングデイを行う
2000年

創立40周年記念式典「カリタス年」
クロージングデイを行う

2006年

中学高等学校の新校舎が完成
カリタス宗教センター「野菊の家」を新設
同窓会室の移転

2007年 法人・講堂棟が完成
2010年 創立50周年記念式典