英語

アウトプットを重視し、使える英語力を育成

●全員参加型の授業で4技能を総合的に伸ばします
 中学の授業は週6時間、全員が授業に参加しやすいようクラスを二つに分けて行っています。週1時間はネイティブ・スピーカーの教員による会話中心の授業で、ペアワークやスピーキングテストを実施しながら、リスニング・スピーキングのスキルアップを図ります。教科書に出てくる表現だけでなく、日常会話で使う実用的な表現も取り入れることで、英語での“自然な会話”ができる力を養っていきます。
 日本人教員による授業でも「話す」「書く」「行動する」といったアウトプットを重視しています。ネイティブ・スピーカーの音声配信や、生徒が音声を録音する課題など、iPadを活用することで実践的に学べるようにしています。

●学校生活を通して、英語を使う機会がたくさんあります
 日常的なネイティブスピーカーの教員とのコミュニケーションに加え、1月末に行われる外国語発表会では、英語・フランス語による歌やクイズ、プレゼンテーションや劇など、様々な形で発表を行います。また、学校の内外での研修プログラムや海外研修への参加など、英語を自分のものにしていく機会に恵まれています。

“得意”を伸ばすハイレベル選抜クラス

【中学】英語アドバンストクラス
 英語の学習歴があり、英語でのコミュニケーションが可能な新入生の中から、希望者を募って作るクラスです。希望者にはプレイスメントテストを実施し20人ほど選抜します。通常のクラスに比べ、より高度な内容に取り組み、課題について調べたことをレポートにまとめたり、発表したりする学習も行っています。

【高校】EIPクラス
 2022年度より設置している高校生用の選抜クラスです。EIPはEnglish for Improved Proficiencyの略で、大学入学後の授業にも対応できるアカデミックな英語力の習得を目標に、高校1・2年生の希望者からGTECのスコアなどを参考にメンバーを決めます。週3時間ある「論理・表現」の授業のうち、2時間をネイティブ・スピーカーの教員が担当。海外のテキストも併用しながら、ディスカッションやエッセイライティングにも取り組みます。

フランス語

言語と文化を学び、真の国際人としての一歩を踏み出す

●中学3年間は週2時間がフランス語の授業です
 中学では全員が第2外国語として、週2時間フランス語を学びます。20人前後の少人数で展開し、1年生はフランス語を初めて習う生徒も安心して授業を受けられるように、既習生と分けて授業を行います。1時間はネイティブ・スピーカーの教員が担当し「聞く」「話す」ことを多く取り入れ、自然なフランス語が身につくよう指導しています。
 高校ではフランス語を第1外国語として選択できるコースがあります。文法、講読、作文、会話など、本格的にフランス語を学ぶカリキュラムが組まれており、フランス語で大学受験を突破する実力を身につけることができます。

●英語習得にも効果的。多言語を学ぶ意欲も高まります
 この時期に英語・フランス語の2ヶ国語を学ぶことは、相互作用となり両方の言語の習得を早め、深く学ぶことを可能にしてくれます。また、英語圏以外の世界に触れる経験が外国語に対する壁を取り去り、さらに別の言語も学びたいという学習意欲を高めます。

検定試験の受検、発表会への参加など、学習成果を実感しながら学ぶ

検定・コンクールへの挑戦
 実用フランス語検定試験(仏検)の受検を奨励し、中学3年生で4級(大学でフランス語を専門に学ぶ1年生レベル)、高校卒業時までに2級(大学4年生レベル)の合格を目指しています。DELF・DALF(フランス国民教育省フランス語資格試験)や、校外で行われる弁論大会や暗唱コンクールにも挑戦し、毎年、優秀な成績を収めています。

伝統の外国語発表会
 全学年の生徒が、日頃の英語とフランス語の学習成果を発表する「外国語発表会」を開催しています。40年以上続く伝統行事で、以前は歌や劇などのエンターテイメントが中心でしたが、近年は学年ごとのテーマに沿って、プレゼンテーションをするなど、発信型のスタイルで行っています。

数学

丁寧に粘り強く考える姿勢を備えた“数学に強い女子”へ

●少人数の細やかな授業で数学の基礎学力を鍛えます
 数学科では基礎学力の定着を図るために、中学1年次から高校1年次は、2クラスを4つに分けて、「少人数授業」を実施しています。授業は少人数のメリットを生かして、一人ひとりの学習状況を把握しながら進め、課題などもこまめにチェックしています。また、iPadなどのICTも活用し、各自が考えた解法をみんなで共有したり、別解と比較をしたり、主体的に学ぶ環境を作っています。
 小学校の時に“算数”に苦手意識があったとしても、カリタスで“数学”の力を伸ばしていく生徒は数多くいます。数学の学びは、定義などを一つひとつ確認しながら解くことで、論理的な思考力を養います。女子ならでは細やかな視点で、丁寧に粘り強く考える姿勢を育てていきたいと思っています。

●教科書は『体系数学』を採用。ハイレベルな「マスタークラス」も設置しています
 数学を系統立てて教えること、また、深い内容まで教えることを目的に、教科書は6年一貫校用に作成された『体系数学』(数研出版)を採用。問題集は、日々の学習用には『体系問題集』(数学出版)を使います。さらに、高校では『フォーカス ゴールド』(啓林館)も使用しています。
 中学1年次から高校1年次までの4分割クラスには、ハイレベルな学習に意欲のある希望者を対象とした「マスタークラス」を1クラス設置しています。マスタークラスでは、日常生活にかかわる問題を考えたり、中学で習ったことを応用して、高校や大学の入試問題をグループで解いたりするなど、発展的な授業を行っています。最近は理数コースに進む生徒が増えているので、得意な数学をさらに強みにしていけるような授業を組み立てています。

基礎学力と学習習慣の定着を徹底

毎週のミニテスト、単元ごとの単元テスト
 毎週火曜日実施のミニテストでは、基礎力の定着度を確認し、単元の終わりには単元テストを行っています。定期テストの結果次第で、追試、指名補習を行い数学が苦手な生徒にもきめ細かく対応します。さらに、家庭学習の習慣を身につけさせるため、毎週課題を出し、月曜日に提出させています。

質問をしやすい学習デー
 週に1日「学習デー」を設けています。複数の教員が待機し、生徒の質問を受けたり、課題の終わらなかった生徒のサポートをしています。

理科

「不思議だな」「なるほど」と感じる感性が科学的思考力の原点

●体験し、自分の考えを言葉にする学びを実践しています
 理科の学習では、自分の目で見たり自分の手で触わったりする「体験」を重視しています。このため、中学では週1時間、実験の授業は2〜3人のグループで実施。全員が必ず実験に関わる環境をつくっています。校外でも、さまざまな体験の機会を用意しており、「Tamalogy(タマロジー)」と名付けた多摩川のフィールドワークは、20年以上も前から取り組んでいます。理科は通常、物理、化学、生物、地学に分類されますが、タマロジーではそれらが絡み合い、一緒に学ぶことができます。他にも尾瀬の野外研修や、観音崎・長瀞・箱根の地学巡検、水族館訪問などを行っています。
 体験と同時に、自分の考えを言葉にすることも大事にしています。たとえば生田緑地の地質調査をして、鉱物や化石のスケッチとレポートを作成したり、多摩動物公園で動物を観察して、調べたことをまとめたりします。

●理科の“面白さ”を追求したくなる授業を心がけています
 中学は理科の興味関心を引き出しながら、「不思議だな」という視点や問題意識、基礎学力などを養い、高校では実験なども専門性を高め、大学進学に向けた演習も行っていきます。
 さらに理科教育を通じて、論理立てて考える力を育てていきたいと考えています。そして生徒が、生物の多様な仕組みの中にも共通性の核があること、日常にも物理の法則があることなどに気付けるような、理科の面白さを追求したくなる授業を心がけています。

興味・感心を引き出す仕掛け

高大連携でプラスαの学び
 大学の研究室に指導してもらいながら研究や実験に取り組んでいます。外部のコンテストでの発表を目指して研究活動に励んでいます。

「かえる通信」を発行
 「コゲラがこんな巣作りをしていました」など、理科教員が理科に関する身近な話題や新聞の記事を取り上げ、それに解説を付けて「かえる通信」を発行。生徒が理科に興味を持つきっかけになっています。

国語

自分の考えを表現し、発信する力を育む

●書く、発表する学習を展開しています
 国語科の学習は、表現活動を大事にしています。「書く」ことはもちろんのこと、プレゼンテーションやディベートなど、「発信する」学びにも力を注いでいます。授業では教科書以外の教材も使い、テーマを設定して、自分の考えを発表する機会も作っています。その他、研修旅行と関連付け、旅の思い出を俳句などにする創作活動も実施しています。
 「読む」活動では、「読書マラソン」を奨励しています。これは読書後に著書名や感想などを「読書マラソンノート」に記録して提出するというもので、読んだ本の冊数に応じてカリタス特製のグッズを渡しています。後で読書の記録を読むことで、自分自身の思いを改めて知る機会にもなります。また、2021年度の文化祭では心に響いた本を紹介する「本語り」を、国語科主催で行い好評でした。

●小論文・志望理由書の指導にも力を入れています
 学習進路指導部と連携し、多様な大学入試にも対応できるよう高校1・2年生は小論文、高校3年生は志望理由書の外部添削を実施しています。講演会での指導後、書き直しも行い、表現力のさらなる向上を目指しています。

感じ、考え、発信するカリタス

全校生徒が参加する「学芸コンクール」
 国語科の特色ある取り組みの一つに、全学年が参加する「学芸コンクール」があります。中学では戦争文学を扱い、課題図書を読んで感想文を書きます。言葉の奥に込められた思いを丹念に読み取り、自発的に資料を調べたり戦争の知識を深める生徒も数多くいます。作成にあたっては教員が丁寧に指導をします。コロナで実施が延期された長崎研修旅行でも今後学びを深める予定です。
 高校生の課題は、「現代文部門」の作品論、作家論。さらに高校1・2年生は、古典作品を翻訳して現代文にする「古典部門」にも取り組みます。
 提出された作品は国語科教員が審査し、優秀作品を表彰します。

社会

知的好奇心を育て、知る楽しさを味わう学びに

●十分な基礎知識があってこそ、探究的な学びが深まります
 中学は1・2年で地理と歴史を、3年で歴史と公民を学習します。また、高校1年では、自分の追究したいテーマをもとに、約4,000字の「年間研究レポート」を作成します。
 毎年、夏休み明けには、中学1年生から高校3年生までの全学年で、社会科の基礎知識を問う「ソシアルマエストロテスト」を実施しています。本校は、探究的な学びを大事にしていますが、ものを考え、探究していくにも、知識がなくてはできません。事前にしっかり知識を獲得し、それらを活用できる授業を展開したいと考えています。

●社会科の本当の実力は、卒業後の生き方に反映されます
 ただ、得た知識のすべてが、何かに生かされるわけではありません。しかし後になって、「これは、こういうことだったんだ」と重要な気付きになったり、未来の判断が必要な時、歴史を学んだことが大きな意味を持ったりすることも多くあります。生徒たちには社会科の学びが役立つかどうかにとらわれず、知的好奇心を育み、知ることの楽しさを存分に味わってほしいと願っています。

高校1年「年間研究レポート」

ひとつのテーマを1年かけて深める
 社会科では約40年前から、高校1年生全員に「年間研究レポート」の作成を課しています。
 年間研究レポートの目的は大きく3つあり、①中学3年間で学んだ地理・歴史・公民の3分野を「総合して考える力を養う」こと、②現代の諸問題に対して、「自分なりの解決策を考えて文章にまとめる」こと、③資料の収集の仕方を含め、「本格的なレポートの書き方を学ぶ」ことです。
 中学3年生の終わりから資料の集め方などを学び、社会科の全教員が指導にあたります。その際に、「テーマの深め具合が妥当であるか」、「適切な資料やエビデンスに基づいて、自分の意見を述べているか」、などを確認し、生徒が自分なりの結論を導いていけるようにサポートをしていきます。最後はレポートをもとにプレゼンテーションを行います。

カトリック倫理

神の愛を学び、自分の生き方をふりかえる

 カリタスらしさのひとつが、すべての学年に週に1時間ずつ設けられている「カトリック倫理」の授業。正面から神の愛を学び、自分の生き方をふりかえる時間です。
 「カトリック倫理」では、聖書を通してイエスの教えにふれ、神の愛を学びます。そして、キリスト教の歴史や創立者の生き方を学び、信仰・希望・愛に生きた人々の生き方を知ることを通して、自分自身の生き方をふりかえります。
 また、「臓器移植」や「終末期医療」など様々なテーマを取り上げ、ともに考える機会を大切にしています。互いの考えに耳を傾けながら、答えのない問いに取り組むことを通して、自分自身の考えを掘り下げていきます。そして、生と死を見つめることによって、「与えられた命をどう生きるのか」という問いに、一人ひとりが向き合います。
 祈りや黙想を通して、静かに心を落ち着かせ、自分を見つめる時間がもてることも、この授業の魅力の一つです。
 ここで学んだことが、カリタスを卒業してからの長い人生の旅路の中で、大きな「糧」となることを祈っています。

音楽

生涯にわたって音楽を愛する心豊かな情操教育

 音楽は世界共通の「文化」です。 世界の音楽、日本の音楽を聴き、自ら歌をうたい、楽器を演奏することを通して、音楽を愛し楽しむ心と感性、豊かな情操を養ってほしいと思っています。 本校は、オーケストラの楽器から和楽器まで様々な楽器がそろい、各々に練習できる個室もあり、音楽を学ぶには恵まれた環境です。
 授業では西洋音楽史を学びながらオペラを聴いたり、篠笛や琴などを実際に奏でてみたり、また中学3年生では、ピアノで一曲演奏するなど、作曲家の意図に寄り添いながら鑑賞することから、自ら表現するまでを各学年に応じて学んでいきます。
 学年末に中学では、合唱コンクールを実施しています。 生徒たちで楽曲を選び、コンクールに向けて練習していきます。「歌をうたう」ことでつながった仲間との合唱は、心と心が響きあう感動的なコンクールとなります。

美術

「美」について考え、自分の感じる「美」を知り、表現する

 自分たちの周りにある「美」について考え、自分なりの感動と発想をもって主体的に表現できるようになることを目指しています。
 自分にとって美しいものは何なのか? それを追求していくと「私とは?」にいきつきます。 美術はアウトプット。授業や毎日の生活でアンテナを高くしてインプットをし、自分の目でみて、体をつかって形にしていくのが美術の授業です。 そのためにも自分をしっかりもって、何が好きか、何が苦手なのか、自分を知ることが大切です。
 授業では、カリタス美術科独自のワークシートに沿って制作の過程を記録しながら、課題をすすめていきます。作品は美術科ですべて保管し(立体は写真で記録)、中3の終わりには3年間でつくった作品を各自のアルバムにまとめます。

保健体育

体育で思いっきり体を動かし、保健で知識を身につける

 運動やスポーツを通じて、健康の保持増進と体力の向上を図り、運動技能や知識を身につけ、生涯教育・スポーツの実践を目指すとともに、健康で充実した生活を過ごせる基本的な能力や態度を育てることを目標としています。
 保健では身体の仕組み、基本的な食生活や医療や社会制度、環境と健康、ライフプランなど心身の健康と生活を維持するための知識を学びます。
 体育では、中学1・2年生で基本的な技能を習得し(基礎)、中学3年生・高校1年生でより技能が上達することをめざし(探究)、高校2・3年生で課題に対し工夫して取り組み、自主的に活動する(自立)。このように6年間を2年ずつ3段階に分け、それぞれの段階に応じた目標を掲げ、一貫教育の特性を活かしたカリキュラムを組んでいます。

技術・家庭

家庭の一員としての意識と役割をもつために

 衣食住・家庭生活・保育について、理論だけでなく、制作、実習を大切に学習していきます。
 小学校までは、きっと親がかりの生活だったと思います。中学生になったからには、ちょっとだけ自立して、自分のことは自分でする、家庭の一員であるという意識、役割をもつことができるように学んでいきましょう。
 例えば、食物では、中学1年生で朝食がつくれるように、中学2年生では昼食がつくれるように、中学3年生では夕食がつくれるようにします。高校生では、短時間でバランス良い食事が準備できるようにします。
 一人ひとりが作る楽しみ、作る喜びを味わい家族の方々にも喜んでいただき、生活を豊かにすることができたらと思っています。

情報

情報技術の基礎を学びSociety5.0に備える

 情報技術について、アプリケーションの制作やプログラミングなどの実習を通して学習しています。
 また、技能だけでなく、サイバー犯罪への対策や知的財産など情報モラルについて学ぶ時間も設け、Society5.0において主体的に技術発展を担ってゆくことができるスキルを学んでいきます。

*Society5.0…サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会です。日本が目指すべき社会として提唱されています。