高校生有志の活動 理科課題研究の成果を発表しました
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先日、現高校3年生理系コースのYさんが、公益社団法人化学工学会 関東支部若手の会主催の「高校生探究発表in2025」に参加し、1年間続けてきた課題研究の成果を発表しました。内容は、昆布からのグルタミン酸の抽出過程に関する研究です。グルタミン酸はうま味成分として知られるアミノ酸で、どのような条件にすれば昆布からたくさんのグルタミン酸が抽出できるかという研究を行いました。
先行研究で、お湯で煮出す時間を増加させても抽出されるアミノ酸量は増加しないというものがあり、実際に実験室で試してみても確かにそのような結果が得られました。さまざまに条件を変えてみても、思うように抽出量が増加しないという結果が続きました。そこでYさんは、グルタミン酸の抽出量を増やすためには、加熱時間を変えるよりも昆布の細胞壁構造をいかに壊すかが重要ではないかと考え、水を含ませた昆布を一度冷凍し、再度解凍することで、細胞壁が壊れてグルタミン酸の抽出量が増えるのではないかという仮説を立てました。そして実験した結果、グルタミン酸の抽出量が増加するという測定結果を得ることができました。
発表会当日は、奇しくもアミノ酸研究で世界を牽引する味の素株式会社の施設での発表となり、大学の先生方、企業で研究されている方、他校の先生や生徒の皆さんから、研究に関するご意見をいただくことができました。とりわけ、普段、味の素株式会社で研究されているスタッフの方からも直接アドバイスを頂き、大変貴重な経験となりました。奨励賞とともに、たくさんの講評もいただくことができました。
今回の活動を通して得られた、研究活動で思い通りに結果が出ない大変さ、そして結果が出せたときの喜びは、今後の理系ライフを支える糧となることだろうと思います。

